AT車に変更された250SLはなんとATミッションが故障してしまいました。正月早々引き上げてきましてリビルドミッションでクレーム修理。乗せ換えられたリビルドミッションはモジュレーティングプレッシャーの調整が重要です。写真のオイルプレッシャーテスターを使用します。
写真の点検用プラグにテスターを装着。エンジン側のバキュームラインは取り外します。
助手席のフロアートンネルにキックダウンプレエシャー調整のためのカバーがあり外します。ミッション右側のトランスミッター調整スクリュウでマキシマムプレッシャーを調整します。写真のロッドの長さを調整しキックダウンプレッシャーの調整もして完了です。W113用K4A025タイプのATミッションのモジュレーティングプレッシャーの数値は以下となります。ベーシックプレッシャー0.6Kg/c㎡ マキシマムプレッシャー2.9Kg/c㎡キックダウンプレッシャー4.6Kg/c㎡
250SL AT車変更は思いのほか時間を取られます。エンジンだけでなく内装もほとんど外した状態。ナビの装着やパワーウィンド 集中ロック フリッジキングのレストア コンデンサの移設等々の作業もやっております。
コンデンサの移設も時間がかかります。コンデンサにあわせてステーを製作します。ホースの取りまわしには細心の注意が必要になります。リヤアクスルの間を通しますのでしっかりしたステーを造り、何度もシュミレートしてエンジン側まで通していきます。
ようやくエンジンを始動できるまできましたが、なんとガス欠でした。連日深夜まで作業した私もガス欠・・・・・。明日もがんばります。オーナーさん、ごめんなさい。
リビルドカー250SLは新オーナーのリクエストで4速MTからATへと変更中です。ミッションだけ変更しますとフライホイールが異なるためエンジンがブレる可能性がありお勧めできません。今回は2800(M130)のAT車のエンジンごと交換することに。前期型の内装の280SLの誕生です。
メカニカルクラッチ機能がつく4速MT車とハイドロクラッチのAT車ではフライホイールがことなります。(写真は4速車)
逆の場合もそうですが、エンジンごと載せ換えるかクランクシャフトとフライホイールでバランス取りをしたほうがベストです。(写真はAT車エンジン)その他スピードメーターケーブルもAT用に。一番厄介なのがキックダウンスィッチとオートマの配線加工です。AT車はアイドリング中はATのソレノイドバルブが動いてプレッシャーを調整しています。ヒューズボックスから配線を引き直しているのですが、体の硬い私は苦戦します。
ATからMTのときはクラッチペダルの追加などがありましたが機械的な移動だけでしたのでスムーズに作業が進行しました。今回はバックライト&スターターロック(PとNのみでスターターがON)などの配線作業が多く、小学校時代、理科が「2」だった私は知恵熱が出そうです。
オールドメルセデスで人気の内装色は写真のパーチメントというカラーです。アイボリーといったほうがわかりやすいでしょうか。特に50歳前後のオーナーは好まれます。口が悪いですが「棺桶に入るのが怖いからですよ」とアドバイスします。けっこう確信ついてそうなのですが。
今回もAMG池内のこだわりの内装です。ドアボードは張替用の部品があるのですが、質感にこだわりが、中に薄いスポンジを敷いて硬くなく、しわ無く、柔らか過ぎず。ネジも純正の化粧ねじを全て使っています。
シルバースター最高のこだわりレストアフリッジキング。吹き出し口は全バラにして再メッキ、カバー部分は内装と同じビニールレザーを巻きます。オリジナルのツマミとメッキカバーで仕上げました。
純正のサンバイザーはボテっとしてかっこ悪いのでオリジナル品を製作。こちらも内装と同素材で仕上げてあります。ベニア板にスポンジを貼ってドアボードに近い質感で仕上げています。縫い目は手縫いでこだわりました。
パワーウィンドー 集中ロック リモコンキーなどのオプション付き。ブラックの塗装にもパーチメントカラーは映えます。
250SLのエンジンをオーバーホールしました。私はデキが悪いメカニックなので達人のような講釈はできませんが、数をこなしてますので注意点を。写真はバルブクリアランスIN0.08mm EX0.18mm)を測定しています。オーバーホール時はカムも乾いていますのでシックネスゲージの抜き差しは緩い目でやっています。全てを計測後クランクを数回転さして再計測をしたほうがいいです。
写真ではわかりにくいですがチェーンテンショナーはオイルをテンショナーのところに溜めて、ガイドを何度か押してエアー抜きをしてください。必須です。昔知らずにエンジンを回してチェーンが1コマずれたことがありました。中古などはオイルが残ってますので大丈夫のこともありますが、必ずやるようにして下さい。
シリンダーとオイルパンの間には液体パッキンがはいります。クランクのリヤシールが少し神経質になります。ヒモ状のオイルシールですがマニュアルの指示に従い0.6mmつき出してカットしています。こちらも過去に「ツライチで充分」と聞いたことがありオイルが漏れて失敗しました。その他のところは私は液体パッキンを使用しません。理由は2つ。1.腕が悪いので失敗を想定してやり直しの場合ガスケットを再利用できるように。2.面倒くさい。 ただ部品の合わせ面はガスケットを丁寧に取り除き、定盤かオイルストーンで必ず面だしします。ボルトは常にトルクレンチで締めています。ボルト ねじ山の掃除も丁寧に行います。エンジンのオーバーホールは部品の点検、清掃の時間がほとんどです。バラして組む時間はしれています。オーバーホールが必要になったエンジンのほとんどが過去に横着な仕事をしたものです。
メルセデスのエンジンは耐久性重視ですので、ポルシェのように「組み方によって吹け上がりが違う」ところまでわかりません。実際にはあるのかもしれませんがそれが解る人はすごい!エンジンの特性はメカニカルポンプによるところが多いので調子が気になる方はこちらをオーバーホールしたほうが体感できます。今回のエンジンも過去に焼きつきをしたようでクランクの芯が出ておらず、メタルのクリアランスも適当に修理したようです。シリンダーヘッドはオーナーの希望で新品を使いましたので総額¥1,600,000です。