W113のATミッションをリビルドしています。リバースに入りにくいという症状なので、分解してみますとK3のクラッチの磨耗でした。この症状ではB3のブレーキバンドの磨耗も考えられますが、B3のブレーキバンドは調整ネジがあり、そこを締めこむとよくなります。締め込んでも症状がかわらない場合はK3のクラッチの可能性が高くなります。
このミッションではクラッチディスクはツルツルになり、調整用のシムも割れておりました。クラッチの磨耗ですと交換するしかなく、リビルドとなります。
オールドメルセデスのATミッションはK4A.025(W113 280SLなど)やK4C.025(W108の280S)722.204(初期のW114)などのミッションはこの症状が多く見られます。オールドメルセデスのミッションは弱いとか言われますが、私は決して弱いとは思いません。どちらかというと耐久性があるほうで、オイルの管理をして、乗り方だけ間違わなければ長持ちします。
ATミッションへの注意点
1.オイルとフィルターは車検ごとに交換する。
2.車が動いているのにドライブ(4のポジション)やリバース(Rのポジション)にシフトチェンジしない。
3.エンジンブレーキは使用しない。長い下り坂がつづきそうであれば3のポジションのホールドで運転する。
4.エンジンをスタートしてすぐに発進しない。
以上はオールドメルセデスに限ったことではありません。全てのオートマ車にあてはまります。