W113のシリンダーヘッドの外してみました。定盤で診ると0.4mmほどひずみがでておりましたので、面研した後、良く見るとクラックが3cm(写真)ほど入っておりました。車は不調で白煙がモクモクだったのですが、オイルの通路にクラックがかかっており、おそらくこれが原因だと思われます。クラックは溶接修理もできますが、経験上割れたヘッドは歪みすぎて使わないほうが賢明です。リビルドパーツで対応することにしました。
M130エンジンは圧縮比がいろいろでヘッドの燃焼室の形状で圧縮比を替えているようです。W113を紹介した本にはUS仕様に圧縮比の低い280SLがあると書かれてあるらしくお客様も「US仕様は圧縮が低い」と思っている人も多いです。写真の上の数字が圧縮比でW113の280SLはエンジンの内部を30台ほどみましたが全てが9.5と印されてあり、実測したわけではないですが燃焼室も小さかったので9.5の圧縮比だと思います。セダンなどで8.0などを見たことがあり燃焼室は明らかに大きかったです。
圧縮比は各国の排ガス規制などによるものであったみたいです。W113の場合はヘッドに問題を抱えている車も多いので、圧縮比が低いほうがあってたかもしれません。スポーツカーなのでそれは譲れなかったのでしょうか。造ったメーカーも40年後に日本でエアコンをつけて乗ることまで予測がつかなかったのでしょう。:lol: