メルセデスの燃料供給システムで代表格なのが写真のKジェトロニクスでしょうか。70年代後半から93年ぐらいまで採用されておりました。非常に優れたシステムでインジェクションとキャブの理論を混ぜ合わせたといえば良いでしょうか。故障も少なく、耐久性もあり調整も簡単です。Kジェトロ→Kジェトロ+ラムダセンサー →KEジェトロと進化していきましたが、要するに制御が電子化されていったということです。コンピューターが入り難しく考えてしまいますが、修理の場合は難しく考えると迷路に入ってしまうので、キャブ車のようにシンプルに考えたほうが不良箇所にたどり着きやすいです。かなり勉強が必要ですが、原理を理解すると修理も楽です。一番多いトラブルが写真左のパイプがタコアシに出ている燃料デストリビューター。中古屋さんなどで長期在庫しているW107などは内部でガソリンが腐ったりして、調子を崩します。マニュアルには分解禁止と書かれてありますので、昔はトラブルだと新品交換でした。(びっくりするくらい高価)実は分解可能で掃除してやると調子よくなりますがシビヤな部品ですので、気軽にはお薦めできません。当社が使う、ドクターカーボンは有効で一発で回復する場合もあります。ボッシュではリビルド品に欠品がでてきており、他のメーカーのりビルドの信用もイマイチです。修理はメルセデスの得意なところに任せたほうが良さそうです。W124以降ではほとんどトラブルは見られません。
面白いのが、W114やW123に採用されているM110の2800ccエンジン。私の300D改にも積まれていますが、キャブ車、Dジェトロ車 Kジェトロ車が全て揃うエンジンです。同じエンジンなのにそれぞれ全く違う乗り味になっています。エンジンは燃料供給によって特性が変わるようです。 つづく