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オールドメルセデスの燃料供給システム②

8.19 001.jpg W113 280SL用


50年代から70年前半までメルセデスの高グレード車に採用されていたのがメカニカルポンプ(写真)です。代表的なところでは、W113で全車に装着されています。ちなみにグレードの後につく(280SEとか)のEはインジェクション車という意味です。古くは50年代の300SLにも装着されており、ポルシェやロールスロイスの一部の高級車のみに採用されていました。


8.19 002.jpg 300SEL6.3用


構造はディーゼルのポンプとほぼ同じです。メカニカルポンプまで電磁ポンプでガソリンが圧送され、カムが各気筒のプランジャー(水鉄砲のような物)を押して噴射さします。内部は鉄製の「からくり人形」で大気圧の補正装置や暖機時のアイドルアップ機構もついております。まさしく芸術品でロレックスなどの機械式腕時計にも引けをとらない技術品だと思います。ポテンシャルにも優れており、同型式のキャブエンジンの30馬力アップを実現しております。


トラブルはオイル切れによるカムの磨耗ぐらいで、調整もあまり必要ありません。ただ同じように見えても種類は多く、エンジンの圧縮比やカムの仕様によって種類があります。良く調子が悪くなってリビルドを依頼されますが、点火系や別の部分のことも多いので修理に出す前は症状などをお知らせください。;-)