W114の280Eや280CE W107 280SL 350SL W108 109のV8のエンジンに採用されていたのがDジェトロという燃料噴射システムです。信号(パルス)でインジェクターを開閉させてエンジンの制御を行います。現行のエンジンも原理は同じで、今のエンジンの元となったシステムと言っていいでしょう。安定感抜群で、W114の280CEなどは現在のエンジンのような安定感があります。メルセデスは70年代に上記の車種に採用しただけでKジェトロに移行していきました。理由は不明(知っている人教えてください。)ですが、優れたシステムで現行車がLHジェトロ(Dジェトロの進化版)を採用しているところから、遠回りしているように思います。
トラブルで多いのがV8のECU(エレクトリック コントロール ユニット)です。右ヘッドライトの裏に設置されており、埃や熱のせいか不良になっているものを良く見かけます。症状は2気筒が噴射しないで死んでしまうことが多く、噴射は2気筒一組で管理されているので、こういった症状になります。もっともECU内部の電子部品は30年が限界とされており、年式でみても寿命かなと判断しています。W114のECUはグローブボックスの裏にあり、環境が良いのか壊れたのもあまり見ません。
インジェクターの信号はデストリビューター下のトリガーポイントから発信しております。パルス信号では無く、点火ポイントを連結させた部品構造です。このトリガー室にオイルが上がってきてオイル漬けになり調子が悪くなったり、トリガーポイントを動かすカムが磨耗したというのもありました。余談ですが、デストリビューターにオイルが上がってくるのはオイルの質の低下でブローバイガスが多くなっていると考えられるので、オイル交換を怠るといろんなところに不良の根源が波及します。
現在の診断機が使えないため、制御装置が多数あり故障すると交換してみないとわからないこともありますが、上記のトラブルが多いので参考にしてください。
マニュアルの配線図やセンサーの検査方法も書いてありますが・・
メルセデスがKジェトロに移行したのは不明ですが、いわゆるメンテフリーで近い状況で乗れる燃料供給システムです。特徴の無いエンジン特性ですが足に使うには最適なのでは。