整備士や板金職人 塗装工にもイチローみたいな天才が存在します。プロに限らず個人で車をイジっている人にもびっくりするような技術をもつ人も見かけます。私は不器用で几帳面でもなく頭も悪いので天才職人にはほど遠いですが、当社のチーフメカニック室崎は可能性のある天才人です。メカニックに一番大事なのは経験だと私は思います。室崎はまだ若いのでこれからいい経験を積んでいけば日本一のオールドメルセデスメカニックになるのではないかと期待しています。さらにいい環境や設備の中で経験をつむことも大事で、狭い場所や小さなジャッキで工夫しながらやるのも経験ですが、ある程度のレベルを求めいい仕事をするには工場の使い勝手や設備などは必要となります。ただメカニックは裏方仕事でアメリカのようなショービジネスは日本では今のところありませんので、モチベーションをあげたり大金を手に入れるのは非常に難しい世界です。
話は変わりますが、W113 280SLのメカニカルポンプをリビルド品に交換したのですが、納車してすぐ調子が悪いと戻ってきました。原因はドエル角(ポイントキャップ)の不良でした。ポンプではなくホッとしました。W113のUS仕様の後期型(69年以降)はセミトランジスタ点火を採用しておりドエル角も26度とバッテリー点火(41度)と異なります。このあたりはほんとに経験で見た目にはトランジスターが見えないので(バッテリーの下に装着)バッテリー点火と勘違いする人がほとんどです。さらにバッテリー点火に改造している車も多くありますので修理の指示も車を確認してからということになります。ちなみにヨーロッパ仕様は全てバッテリー点火です。
ボルテージレギュレーター
点検していくと写真のボルテージレギュレーターの不良も発覚しました。オルタネーターと別についております。オーバーチャージ エンジンを吹かすとバッテリー電圧が16Vまで上昇、交換となりました。乗っていてもバッテリーが上がるわけでもなく気付かないことも多いトラブルですが、リレーや電球などが不良になってしまう恐れがありバッテリーも過充電で危険です。やたら電球が切れる時は点検しましょう。この部分もオルタネーター一体型に改造してある車も多く、現車確認してからの修理になります。
2008.4.29