68年ぐらいからのW113 280SLのUS向けや日本向けによく見るフリッジキングのクーラーユニット、W113専用に造られているので綺麗なデザインだと思います。ただここまでレストアしているW113はなかなかありませんのであまり良い状態のものは見かけません。最近では希少価値も上がってきてアメリカのオークションでも高値の取引になっています。当社は「世界一美しいフリッジキング」を目指して10基以上レストアしてきました。
室内ユニットを取り外し、全て分解して下のゴムカバーをダッシュボードと同色の皮やビニールで張り直します。このときそのまま巻くと吹き出し口のボディーにきれいに収まらないので、ひと回り小さく削ります。ルーバー(拭き出し口)も全バラにして再メッキをします。鏡面仕上げのオリジナルプレートを貼り付け、アルマイト加工で削り出したスィッチノブを取り付けます。これで目に見える部分は完成です。ブロアーモーターとエバポレーターのユニットは風量の強い新品ユニットに換装されます。助手席の足元スペースの確保と冷却効果のアップになります。コンプレッサーももちろんロータリーに変更しています。簡単に書きましたが最初はかなり苦労しました。
私自身一番のお気に入りレストレーションで何回やっても楽しいですね。美しさと性能アップを両立させた難易度の高いレストアです。