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燃えた280SL

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先月、千葉在住の280SLのオーナーからレストアの依頼があり引き取りに行きました。以前にも問い合わせしていただいたようなのですが、280SLのフロアーをご自身で張り替えようと切断中にガソリンに引火して一部を燃やしてしまったようです。W113は運転席下にガソリンラインが通っておりそこに引火したようです。幸いケガもなかったようですが、消火器5本を費やして沈下させたそうで・・・。


当初はボディーを補修してということでしたが、持ち帰ってみると想像以上に痛みがひどくオーナーと相談のうえボディーを交換する作業をすることになりました。鉄板は熱が入ると腐食も早く、置いていたところも屋外でしたので燃えたところは土のようになってしまい、原型がありませんでした。


ボディーーがいい状態の280SLがあったのですが、オートマ車です。もとはMT車なのでエンジンを載せ代えることに。オーナーは「エンジンの調子は良かった」ということでしたが屋外で約3年放置していましたのでどうなることかと心配しながら作業を進めました。W113の場合 ボディーはAT車もMT車も同じで配線を一部加工して、ペダル類を移植すればスワップができます。フライホイールの交換でAT車のエンジンのままでもMT車にできますが、クランクシャフトとのバランスの問題がありますのでエンジンはMT車のものを使うほうが良いと思います。


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この1週間で2台のエンジンを降ろし積み替えしました。ヒーターコアなど内部のパーツの交換、マウント類やシフトのブッシュやプレートなども交換してセルをスタート。しかしセルが回りません。キーは燃えたSLから外した物でスィッチが焼けていたようです。中古パーツで交換、これでいけるかと思いきや燃料がきていないようです。ポンプのホースを外してキーオンにすると燃料が溢れてきました。ポンプが詰まっていたようです。これで万全、キーをひねると燃圧が上がる独特な音がしてきました。長いクランキング後エンジンが長い眠りから覚めました。すぐにアイドリングが安定して調子良さそうです。


本音を言うとちょっと気が引けた仕事でした。申し訳なさそうにしていましたオーナーの顔に「なんとかしなければ」というプレッシャーがあったのですが、やっていくと結構楽しめました。(私は足を引っ張るので何もしておりませんが:oops:)


これから塗装に出して、内装張替 車検を取って年明けには納車予定です。