250SLのエンジンをオーバーホールしました。私はデキが悪いメカニックなので達人のような講釈はできませんが、数をこなしてますので注意点を。写真はバルブクリアランスIN0.08mm EX0.18mm)を測定しています。オーバーホール時はカムも乾いていますのでシックネスゲージの抜き差しは緩い目でやっています。全てを計測後クランクを数回転さして再計測をしたほうがいいです。
写真ではわかりにくいですがチェーンテンショナーはオイルをテンショナーのところに溜めて、ガイドを何度か押してエアー抜きをしてください。必須です。昔知らずにエンジンを回してチェーンが1コマずれたことがありました。中古などはオイルが残ってますので大丈夫のこともありますが、必ずやるようにして下さい。
シリンダーとオイルパンの間には液体パッキンがはいります。クランクのリヤシールが少し神経質になります。ヒモ状のオイルシールですがマニュアルの指示に従い0.6mmつき出してカットしています。こちらも過去に「ツライチで充分」と聞いたことがありオイルが漏れて失敗しました。その他のところは私は液体パッキンを使用しません。理由は2つ。1.腕が悪いので失敗を想定してやり直しの場合ガスケットを再利用できるように。2.面倒くさい。 ただ部品の合わせ面はガスケットを丁寧に取り除き、定盤かオイルストーンで必ず面だしします。ボルトは常にトルクレンチで締めています。ボルト ねじ山の掃除も丁寧に行います。エンジンのオーバーホールは部品の点検、清掃の時間がほとんどです。バラして組む時間はしれています。オーバーホールが必要になったエンジンのほとんどが過去に横着な仕事をしたものです。
メルセデスのエンジンは耐久性重視ですので、ポルシェのように「組み方によって吹け上がりが違う」ところまでわかりません。実際にはあるのかもしれませんがそれが解る人はすごい!エンジンの特性はメカニカルポンプによるところが多いので調子が気になる方はこちらをオーバーホールしたほうが体感できます。今回のエンジンも過去に焼きつきをしたようでクランクの芯が出ておらず、メタルのクリアランスも適当に修理したようです。