W113などに使われるK4A025ミッション。マニュアルにある調整方法の説明です。このミッション Kはハイドロクラッチ仕様(Wはトルクコンバーター仕様) 4は四速 Aは類別 025は出力トルクを意味します。同じような型式で69年ぐらいからの108や111などに使われるK4C025は形が似ていますが調整方法などは若干異なります。
調整には写真のような油圧ゲージがあれば便利です。写真は純正工具ですが、汎用工具でも対応は出来ます。6kg/c㎡のスケールをコネクションに接続します。ミッションのバキュームパイプを外します。エンジンを始動しますとモジュレーティングプレッシャー(基準値0.6Kg/c㎡)が測定できます。K4A025ではモジュレーティングプレッシャーの調整ができません。
アクセルペダルを少し踏んで最大プレッシャーを測定します。最大プレッシャーは2.9kg/c㎡です。こちらは写真の人差し指部分の四角いネジで調整出来ます。1回転で1.5kg/c㎡の調整が出来ます。中指部は測定ゲージの接続部です。
室内のセンターフロアー部にキックダウンプレッシャー調整用のロッドのフタがあり、外しますとロッドが写真のように見えてきます。キックダウンプレッシャー4.6kg/c㎡はロッドの長さを調整して測定します。測定はアクセルを少し踏んだ状態のままキックダウンスィッチを左足で踏みます。
測定工具が無くても乗った感覚で調整してもいいのではないかと思います。変速ショックがきついと感じる場合は調整ネジを緩める、キックダウンしない場合はロッドを短くする、両方を使いながら調整するのは経験が必要ですが。調整ネジを何回回しても変化が無い場合はATの機械的不良と判断してもいいと思います。また測定器があれば変速タイミングのステッププレッシャーの調整も可能です。機会があれば紹介させていただきます。